【マネジメント新時代】シーテックを例に展示会のあり方を考える (1/3ページ)

幕張メッセで開かれた「シーテックジャパン2018」=10月16日、千葉市
幕張メッセで開かれた「シーテックジャパン2018」=10月16日、千葉市【拡大】

 10月中旬に千葉市で行われた家電とITの展示会「CEATEC(シーテック)ジャパン2018」のプレスブリーフィングを聞いていて、あれっと思ったことがある。例年は中央省庁や主催者側の最高責任者などがあいさつするのだが、今年は具体的にイベントを企画し、推進したと思われるプロデューサーが、どう考え、実行してきたのかを、プレゼンを活用しながら自分の言葉で説明していた。

 その成果が出たのだろうか、主催者によれば、登録来場者数は15万6000人余りと、前年比2.4%増となったようだ。今回はシーテックを例に展示会のあり方について、マネジメント視点で考えてみたい。(日本電動化研究所代表取締役・和田憲一郎)

 家電見本市に変調

 ご存じの方もいるかもしれないが、シーテックといえば、一昔前はエレクトロニクスショーと呼ばれ、テレビ、DVDなど家電見本市的な要素が強かった。しかし、2010年を過ぎた頃から、エレクトロニクス業界の低迷とともに出展を取りやめる企業が相次ぎ、シーテックの存在意義が問われた。そして、16年には「脱・家電見本市」と大改革を宣言し、「CPS(サイバーフィジカルシステム)/IoTの総合展示会」として大きくかじを切り現在に至っている。

 今年は、コンビニのキャッシュレス決済、銀行系の仮想現実(VR)株取引などモノのインターネット(IoT)とフィンテックを組み合わせたものが多く、新たな企業や要素を取り入れていることがうかがえた。最終的に登録来場者数が前年比で増加したため、かなり健闘したといえるのではないだろうか。

 ところで、最近はいろいろな展示会でも苦戦しているところが多い。特に自動車系はそれが顕著になってきた。

 例えば、この10月に開催したパリモーターショーでも、独フォルクス・ワーゲン(VW)や米国勢は不参加。日本企業も日産、三菱自動車、スバル、マツダが出展せず、次第にローカルモーターショーになってきているようだ。

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