【遊技産業の視点 Weekly View】6号機導入開始 営業成績の基準に


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 □ぱちんこジャーナリスト LOGOSインテリジェンスパートナー・POKKA吉田

 10月に入って6号機「HEY!鏡」(大都技研)の導入が始まった。6号機とは現行規則下の回胴式遊技機(パチスロ)の呼称だ。規則が変わるたびに4号機、5号機など呼称のナンバリングが増えていく。さらに遊技機メーカー団体の自主規制に対応して5.5号機、5.9号機などの呼称もある。「HEY!鏡」は6.0号機だ。

 依存対策のために射幸性を抑制するという改正規則が施行されたのは今年の2月。ぱちんこ遊技機は既に改正規則下の型式の導入があったが、6号機はこれがスタートだ。しかも「HEY!鏡」は大都技研の大ヒットシリーズであり、販売開始すぐに完売している。

 導入後のホール営業成績も好調だ。経過措置の残っている5.9号機の新台リリースが少ない中、6号機の初動としては多くの業界関係者の期待に応えた形になっている。好調を反映してか、パネルデザインの異なる「HEY!鏡」が12月にも納品されるという。最終的な販売台数がどこまで伸びるか業界中が注目している。

 6号機は型式試験になかなか適合しなくて大変な状況にはあるが、それでも少しずつ適合型式は登場している。いざ、適合すればどのような能力の機種になるかは先月までは未知数だった。今は「HEY!鏡」のホール営業成績が基準になる。このため、実は「HEY!鏡」の導入後のホール営業成績を、ほぼ全てのパチスロメーカーが大注目していた。これが成功すれば自社機の販売にも好影響、逆なら悪影響ということだったからだが、恐らく10月前半でほぼ全てのパチスロメーカーが安堵(あんど)した。

 5.9号機よりも射幸性が抑制されているのが6.0号機だから、6.0号機が次々に成功すれば、それは警察庁としても喜ばしいことである。ただし、型式試験の適合率がものすごく低い状況が続いている。試験方法を通告なく変更したりと、実は型式試験の所管・運用には大きな問題があることはあまり知られていない。

 今後、規則に対応した正しい手続きで型式試験が実施され適合率が改善されれば、パチスロ市場は期待できそうだ。

                   

【プロフィル】POKKA吉田

 ぽっか・よしだ 本名は岡崎徹。1971年生まれ。神戸大学経済学部中退。著書に『パチンコが本当になくなる日』(扶桑社新書)など。2016年2月から本名の岡崎徹としてぱちんこ業界紙「シークエンス」発行人編集長。

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