ＫＤＤＩ、キッザニア運営のＫＣＪグループを子会社化　名古屋に新施設開業へ

　ＫＤＤＩ（ａｕ）は１０日、子供向け職業体験テーマパークの「キッザニア」を運営するＫＣＪグループ（ＫＣＪＧ）を子会社化したことを明らかにし、平成３２年度に「キッザニア名古屋」（名古屋市）を開業する計画を発表した。１０月１日付でＫＣＪＧ株の過半を取得した。新施設に高速大容量の第５世代（５Ｇ）移動通信方式を整備し、モノのインターネット（ＩｏＴ）などを活用した職業体験ができるようにする。

　取得金額は非公表。ＫＤＤＩの高橋誠社長は「新しい施設に５Ｇなどの最先端技術を張り巡らせる。新しいキッザニアを共創する」と子会社化の意義を述べた。キッザニア名古屋の出展企業や展示内容は未定だが、遠隔医療など、ＩｏＴを生かした職業体験を中心にする。ＫＣＪＧの住谷栄之資（えいのすけ）社長は「未来の仕事を想定した提案をしたい」と話す。

　合わせて、農業や漁業、伝統産業など、施設外での職業体験にも力を入れる。５Ｇの実用化でＩｏＴの普及が特に期待されているのは、人手不足に悩む地方だからだ。子供の職業体験を通じ、地方の自治体や企業との連携を強化し、５Ｇの全国導入を後押しする狙いがある。高橋社長は「５Ｇで地方創生を盛り上げる」と意気込む。

　キッザニアは現実にある企業が出展し、子供たちが職業体験できる。名古屋は東京（東京都江東区）、甲子園（兵庫県西宮市）に次ぐ国内３カ所目となる。ＫＣＪＧは福岡市での開業も検討している。