リサイクルベンチャーのTAAS(ターズ、東京都渋谷区)は、昨秋に始めた有料による機密文書処理サービス「e-pod」(イーポッド)について、早ければ来年秋にも無料化する。回収した紙を溶解処理して、メモ用紙や便箋などに再生する。この分野には大手の宅配業者や警備会社、廃棄物処理業者などが相次いで参入、競争が激しくなっている。無料化ビジネスの仕組み、今後の展開について、大越隆行社長兼最高経営責任者(CEO)に聞いた。
回収箱サイネージに広告
--なぜ無料化を考えたのか
「1年ほど前から、契約企業約40社に専用の回収箱を置き、廃棄書類を回収。それをまとめて溶解処理業者に送って処理するサービスを始めた。処理後に残った材料でノートやメモ帳など、オフィスの机上で活躍する文具類に再生して、契約企業に提供している」
「溶解処理を施すので機密保持には優れてはいるけど、焼却処理よりも費用がかかるという声を契約企業からいただくようになり、何とか料金の引き下げ、もしくは無料化ができないかと考えていた」
--どうやって無料化するのか
「鍵付きの機密文書回収箱にデジタルサイネージ(電子看板)を付ける。サイネージに広告を流すことで広告費を集める。その広告費を処理費用に充てる。これにより処理費用を無料化する」