マルハン(京都市上京区)のグループ会社であるマルハン・インベストメント・カンボジア(カンボジア・プノンペン)は8月29日、韓国ロッテグループ傘下のロッテ・エンジニアリング・アンド・コンストラクション(ソウル市)と、2020年にカンボジアに完成予定の「サタパナタワー」建設契約書に調印した。
サタパナタワーは、カンボジアの商業銀行においてリーディングカンパニーであるサタパナ銀行の新本店ビルとなる予定で、地域に根差した銀行としてカンボジア全土で総合金融サービスを提供するサタパナ銀行の能力のさらなる拡大を目指す。
5月に着工したサタパナタワー建設プロジェクトはマルハンの資本によって進められており、総工費7000万ドル(約78億円)、26カ月をかけて完成する予定。地上22階、地下4階、全長103メートル、延べ床面積3万5135平方メートルとなるサタパナタワーは、世界基準Aグレードのビルとして王宮や独立記念塔に近いノロドム通り沿いに誕生する。
調印式で、マルハングループの会長でありサタパナ銀行代表取締役の韓昌祐氏は「カンボジアの経済成長と雇用拡大に貢献し、この国をより良くするというわれわれの決意がサタパナタワーの建設に至った」と経緯を述べるとともに、「この時代を超越したデザインをもつタワーはカンボジア国民の幸せの象徴、そしてノロドム通りの新たなシンボルとなるだろう」と期待。またロッテ・エンジニアリング・アンド・コンストラクションの最高経営責任者(CEO)、ハソクジュ氏は「マルハングループがこの素晴らしいプロジェクトのパートナーにわれわれを選んでくれたことを誇りに思う」と謝意を示しつつ、同社にとってもカンボジアで初めてのプロジェクトであるとし、「最新の建設テクノロジーを用いてサタパナタワーを成功に導く」と意欲的に語った。
サタパナ銀行は“カンボジア国民皆様の銀行People’sBank”を合言葉に、カンボジア全土に168の拠点を持ち、融資規模でカンボジアの5指に入る日系商業銀行。2008年にマルハンの子会社として開業したカンボジア王国初の日系商業銀行マルハンジャパン銀行と、地場NGOを前身として1995年に設立されたカンボジアの大手マイクロファイナンス機関(小口金融)サタパナ社を統合する形で2016年4月に誕生した。
資本金は1億2000万ドル(約134億円)、総資産10億2800万ドル(同1146億円)、貸出金残高7億9400万ドル(同885億円)、預金残高6億1800万ドル(同688億円)を有し、職員は4300人を超える(17年12月31日現在)。