ガソリンエンジンに電気モーターを組み合わせたハイブリッド量産自動車が世に現れてすでに20年が経過。今年になって自動二輪車、旅客機、鉄道といった他の乗り物でもハイブリッドの採用が相次いでいる。そんな中、最先端技術の粋を集めたドローンでもベンチャーがハイブリッドを採用し、攻勢をかけている。視線の先にあるのは、あの未来の乗り物だ。
トヨタ自動車の「プリウス」は1997年に世界初の量産型ハイブリッド乗用車として発売された。ガソリン車よりも航続距離が長いのが特徴で、20年の間に、他メーカーを含め多様な自動車に波及していった。
今年9月14日にはホンダが二輪車として初のハイブリッド型スクーター「PCXハイブリッド」を発売する。4月に発売した125ccガソリン車をベースにリチウムイオンバッテリーを搭載し、エンジン始動に用いるスターターのパワーを補助動力に使う。全体の燃費向上というより、原付2種(50~125cc)クラスで要望の大きい、スタート時の加速で効果が現れそうだ。
航空機でも昨年末、欧州大手のエアバスが、ドイツのシーメンス、英ロールス・ロイスと共同でハイブリッド飛行機「E-FanX」を開発し、2020年に飛行させると発表している。小型ジェット機「BAe146」の4基あるガスタービンエンジンのうち最大2つを電気モーターと入れ替え、発電機による電気でこれを回して飛行する。化石燃料に対する依存率を下げ、地球温暖化の抑制に役立てるのがねらいだ。
今年1月には、JR東日本が同社初の電気式ディーゼル車「GV-E400系」の試験車両を完成させ、報道陣に公開した。2019年度までをめどに、羽越(新津~酒田)、信越(新津~新潟)、米坂(米沢~坂町)、磐越西(会津若松~新津)などのローカル線で走るディーゼル車「キハ40型系」と入れ替える。ディーゼルエンジンを発電にのみ用い、生まれた電力で走らせるしくみ。駆動のしくみが、すでに都市部では100%近い電車と同じとなり、保守点検がしやすくなる。