アイスクリームを購入した若者が店員から「支払い方法は?」と聞かれると「VISAで」と答え、立ち去っていく。すると音声を認識するシステムが自動的に反応して支払いが完了する。クレジットカード会社などに「VISA」ブランドを提供するビザ・ワールドワイド・ジャパンが3月から展開しているテレビCMだ。
まだ現実に存在するサービスではないが、「支払いの進化で、明日の当たり前を作る」ことを目指す同社が、イメージする新たな決済の形の一つだ。
音声による決済はまだ実現できていないが、同社は既に指輪や手袋、腕時計などのウエアラブル端末をかざすだけで決済できる仕組みを開発。平昌冬季五輪の会場などで実際に使われている。同社の安渕聖司社長は「2020年東京五輪・パラリンピックに向け、キャッシュレス化はますます進むだろう」と話す。
ただ、現金で支払う習慣が根強い日本では、キャッシュレス比率は約20%と世界的にみると低水準だ。治安が良いため現金が盗まれるリスクが低く、ATM(現金自動預払機)の設置件数も多い日本は、キャッシュレス化がどうしても進みにくい状況があるのだ。