KDDI、トヨタなどシステム開発で協業 自治体に災害時の情報提供

トヨタ自動車のデータをもとに凍結した路面などを推定する研究を進める応用地質の担当者=24日、東京都千代田区
トヨタ自動車のデータをもとに凍結した路面などを推定する研究を進める応用地質の担当者=24日、東京都千代田区【拡大】

 KDDIとトヨタ自動車、地質調査大手の応用地質は24日、KDDIの携帯電話の位置情報を基にした人口動態データや、トヨタの自動車の急ブレーキなどの運転データなどを分析して、どの道路が凍結していて危険かなど、自治体に災害情報を提供するシステム開発で協業すると発表した。年内に福岡県などで実験を開始し、来年の提供を目指す。

 KDDIの携帯電話の位置情報データを活用すると、災害時に避難場所に人が集中しすぎているため、別の避難場所へ誘導することなどが可能。また、トヨタ車に搭載したセンサーを活用すると、急ブレーキ時のアンチロックブレーキシステム(ABS)がどこで作動したかや車外の気温などがわかるため、凍結した場所を推定できる。応用地質は冠水センサーや地震計などの設置をすでに進めており、観測したデータを協業するシステムに提供する。

 3社は、データを分析して推測される情報を自治体に提供する。応用地質の松井恭マネージャーは「ABSの作動データや外気温などと合わせて、具体的に『どの場所が凍結している』などの結論を自治体に提供したい」と話した。システムの納入費用は、数万円から数十万円で検討中という。