KDDIの高橋誠社長は5日、都内で会見を開き、スマートフォンの2次元バーコードを使った「QR決済」を年度内に開始し、対応店舗の開拓に向けて無料通信アプリ大手の「LINE(ライン)」やフリーマーケットアプリを手掛ける「メルカリ」など、QR決済に注力している他社との連携を検討する考えを明らかにした。スマホのQR決済は、導入コストが小さいことなどから加盟店の拡大が期待されている。同決済方式で各社が協力することで効率的に加盟店を開拓する狙いだ。
QR決済の加盟店開拓について、高橋社長は、大規模なPOS(販売時点情報管理)レジを導入しているコンビニエンスストアなどの場合は、QRコードの読み取りに対応している機器が備えられていることが多いため、比較的進めやすいとの見方を示した。
一方、「中小の店舗などが課題だ」と指摘。「開拓したい他社に声をかけて一緒に進める方法もある。各社に声をかけて一緒に開拓すれば、飛躍的に広がる」と期待を示した。
QR決済の加盟店は、NTTドコモが早期に10万店を目指しているほか、LINEは年内に100万店を目指している。ただ、コンビニエンスストア以外では拡大が進んでいないのが現状だ。
LINEなどは、QR決済のサービスではKDDIと競合する関係だが、実際に利用できる店舗が広がらなければ事業の成長が見込めず、サービス内容の充実など、差別化の投資をすることもできない。そのため高橋社長は「加盟店は広がれば広がるほどいい。その上で各社が自分たちのサービスで勝負することになる」と述べ、マーケット拡大の重要性を強調した。(大坪玲央)