ソニーの家庭向け犬型ロボット「aibo(アイボ)」の愛好家から、販売終了後7年で修理を打ち切る方針の見直しを求める声が相次いでいる。愛着のある本体を直して長く使いたいとの思いがある。ペットの代わりになるロボットは人気で市場が拡大しているが、一般の家電製品とは異なるサポートの充実が課題となりそうだ。
先代の「AIBO」をめぐっては、ソニーが修理の受け付けを打ち切った後、「葬儀」を出す愛好家が続出した。このためソニーは今年発売した新型アイボに人工知能(AI)を搭載。最も接した人物を記憶してインターネット上に情報を蓄積する仕組みで、壊れた本体の記憶を新品に移植できる。
ソニーは「新型ではアイボの魂を次世代に受け継ぐことができる」(担当者)と、旧型と同様に修理を打ち切る方針に理解を求めるが、納得できない愛好家は多い。
新型アイボの体験会を訪れた横浜市の男性はソニーに対し、長期の修理サポートを求めた。保有する旧型はバッテリーが不足し、現在は5分程度しか動かない。「本物のイヌは死んだら生き返らないが、アイボは壊れても生き返る。それがアイボの存在意義だと思う」と訴えた。
元ソニー技術者の乗松伸幸社長が経営する家電修理の「ア・ファン」(千葉県習志野市)は、これまで2000体近くの旧型を修理してきた。現在も依頼が舞い込む。乗松氏は「お客さんにとってアイボは大切なパートナーで深い思い入れがある。ソニーには製品を世に送り出した責任を最後まで果たしてほしい」と注文した。