宅配各社、年末の繁忙対策急ぐ 法人顧客の発送事前連絡や集荷依頼の予約制でトラブル防止

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 お歳暮などの荷物が急増する年末の配送が遅れるのを防ごうと、宅配便各社が対策を急いでいる。インターネット通販の拡大で荷物量は拡大傾向にある上、アルバイトの確保も難しくなっているためだ。法人顧客に発送を事前に連絡するよう求めたり、集荷の依頼を予約制にしたり各社はトラブル防止に知恵を絞る。

 お歳暮の発送は12月上旬から本格化する。日本郵便によると12月の荷物量は例年、平常月の1.5倍程度に膨らむ。

 最大手のヤマト運輸は、新規の法人顧客が12月に20個以上をまとめて発送する場合、出荷日の1週間前までに連絡するように要請している。繁忙度によっては出荷日をずらしてもらう考えだ。

 年末に働くアルバイトの運転手の確保も急務で、ヤマトは神奈川県の一部地域で昨年より500円高い時給2000円を提示して募集を始めた。

 佐川急便は12月1~29日に、電話やインターネットで受け付けている集荷の依頼を前日までの予約制に変更する。計画的に配送でき、効率化につながるためだ。個人向けも対象になる。

 日本郵政は、傘下の日本郵便が手掛ける宅配便「ゆうパック」の年末の取扱量が昨年より1~2割増えると見込む。ヤマトがドライバーの労働環境を改善するため、荷物量の抑制に取り組んでいる影響もあるという。日本郵政の長門正貢社長は「本社や支社の人員を現場に回すことも含めて工夫し、万全の態勢で臨みたい」と話している。