インターネットを高速で楽しめるブロードバンド(高速大容量)時代を牽引(けんいん)してきたNTTのADSL(非対称デジタル加入者線)とISDN(総合デジタル通信網)が役割を終える見通しとなった。NTT東日本と西日本は30日、平成35年1月末で現在約85万契約のADSLの大半についてサービス提供を終了すると発表。ISDNも来年11月末で新規受け付けの申し込みを終了すると発表した。
両サービスとも、より高速な光回線や高速化が進むスマートフォンの移動通信回線に押され、近年、契約数が減少していた。
12年12月から提供を開始したNTTの「フレッツ・ADSL」は、同年7月からの「フレッツ・ISDN」とともに、それまでは従量制で低速だったインターネットを使い放題で高速なものに変えた。特にフレッツ・ADSLは、ソフトバンク系の「ヤフーBB」と並び、ブロードバンド時代の主力サービスで、ピーク時の17年度末には568万2千契約に達した。
ただ、光回線が料金値下げでADSL並みになったことや、ADSLでは時間を要する映像のアップロードが、動画投稿サイトの普及などで一般的になったことなどから、ADSLの契約数は減少を続けた。今年9月末ではピーク時から約85%減の84万7千契約まで落ち込んだ。