昭和の面影、また一つ…消える“我らが3番館”、尼崎・塚口「さんさんタウン」最大ビルが11月15日閉館 (1/2ページ)

立て替えのため今月15日に閉館する塚口さんさんタウン3号館=10日、兵庫県尼崎市(前川純一郎撮影)
立て替えのため今月15日に閉館する塚口さんさんタウン3号館=10日、兵庫県尼崎市(前川純一郎撮影)【拡大】

  • 塚口さんさんタウン地図

 兵庫県尼崎市の北の玄関口、阪急塚口駅前の商業ビル「塚口さんさんタウン」で最大規模の「3番館」が15日、39年の歴史に幕を閉じる。スーパーや多くの専門店が入居し市民の暮らしを支え続けてきたが、4年半後にマンション中心の高層ビルに生まれ変わる予定。常連客は寂しさを募らせ、思い出を集めた映像づくりを進める人もいる。(中井芳野)

 さんさんタウンのビル3棟は昭和53年7月、駅前再開発事業によって開業した。3棟の中で延べ床面積が最も大きい(計約3万4千平方メートル)3番館は6階建てで、旗艦店のスーパー「ダイエー」のほか婦人服専門店や飲食店など、最盛期には約80店舗が営業。屋上には観覧車もあり、多くの家族連れでにぎわった。

 ところが、近隣に大型ショッピングモールが相次いで進出したことなどで客足は徐々に遠のき、平成24年ごろには3番館で営業を続ける店は50店舗を切るなど、空きスペースが目立つようになった。

 30年来の常連客という近所の主婦、三木弘子さん(77)は「若者にはショッピングモールの方がいいかもしれないが、さんさんタウンの方がなじみがあって落ち着く」とつぶやく。