兵庫県尼崎市の北の玄関口、阪急塚口駅前の商業ビル「塚口さんさんタウン」で最大規模の「3番館」が15日、39年の歴史に幕を閉じる。スーパーや多くの専門店が入居し市民の暮らしを支え続けてきたが、4年半後にマンション中心の高層ビルに生まれ変わる予定。常連客は寂しさを募らせ、思い出を集めた映像づくりを進める人もいる。(中井芳野)
さんさんタウンのビル3棟は昭和53年7月、駅前再開発事業によって開業した。3棟の中で延べ床面積が最も大きい(計約3万4千平方メートル)3番館は6階建てで、旗艦店のスーパー「ダイエー」のほか婦人服専門店や飲食店など、最盛期には約80店舗が営業。屋上には観覧車もあり、多くの家族連れでにぎわった。
ところが、近隣に大型ショッピングモールが相次いで進出したことなどで客足は徐々に遠のき、平成24年ごろには3番館で営業を続ける店は50店舗を切るなど、空きスペースが目立つようになった。
30年来の常連客という近所の主婦、三木弘子さん(77)は「若者にはショッピングモールの方がいいかもしれないが、さんさんタウンの方がなじみがあって落ち着く」とつぶやく。