神鋼不正の手口判明 データ手書き後、PC入力時に改竄

神戸製鋼所東京本社=東京都品川区
神戸製鋼所東京本社=東京都品川区【拡大】

 神戸製鋼所によるアルミ製品などの性能データ改竄(かいざん)問題で、同社の担当者が検査データをいったん紙に手書きした後、パソコンへの入力時に改竄していたことが19日、分かった。改竄が容易な仕組みを放置した甘い管理が不正を招いた。同社はデータ取得から検査成績書の作成まで自動化するシステムの導入を検討。11月に公表する再発防止策に盛り込む方針だ。

 製品の品質管理体制を定めた国際規格「ISO9001」を満たしていない疑いがあるとして、認証機関が不正の発覚した神戸製鋼本体を含む国内7社・10拠点に立ち入り調査を検討していることも分かった。

 関係者によると、神戸製鋼のアルミ・銅工場では、製造担当者が検査装置の数値を紙に書いた後、パソコンに入力する際に顧客の決めた仕様に収まるよう改竄。検査成績書を作成していた。品質保証担当者も黙認していたとみられる。同社は以前から入力時に改竄された可能性があるとみていたが、調査で事実が裏付けられたという。DVD製造などに使う金属材料を手がける子会社、コベルコ科研(神戸市中央区)の不正でも同様の手口が使われていたとみられる。

 今回の不正では、無断納入しても問題にならない性能の範囲をメモにして、歴代担当者が引き継いでいた可能性も指摘される。

 同社幹部は「存在は引き出せていない」としているが、引き続きOBへの聞き取り調査などを行う考えだ。