27日に開幕する2年に1度の自動車の祭典、東京モーターショーに向け、国内自動車メーカーの出展内容が18日にほぼ出そろった。各社は人工知能(AI)を搭載し運転を高度に支援するコンセプト車のほか、世界的な環境規制を追い風に開発競争にしのぎを削る電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)の技術力もアピール。近未来の市場を占う前哨戦となりそうだ。
FCVを究極のエコカーと位置付けるトヨタ自動車は同日、水素を燃料とし運転時に二酸化炭素(CO2)を出さないFCVの6人乗り高級車「ファイン・コンフォート・ライド」とバスの試作車を展示すると発表した。高級車は3分程度の水素充填(じゅうてん)で約1000キロの走行が可能。自動運転を想定し、座席のレイアウトが自由に調整できるなど、「未来の内装」になっている。
同社は“未来の愛車”をテーマとした「Concept 愛i(コンセプト・アイ)」を通じ、AIが運転手の表情や声などから心理状態を推定し支援が必要な場合に自動運転に切り替える機能なども訴求する。
先進機能と走る喜びを両立した新機軸の競演も見どころ。
ホンダは「自分をもっともっと連れ出すんだ」をテーマに、車と一体になったような運転感覚を目指し開発したAI搭載の「スポーツEVコンセプト」を世界初公開するほか、2019年に欧州で売り出す予定の小型EVのベースとなる試作車も披露する。