アルミ・銅製品で、顧客からの仕様に適合しているように性能データを改竄(かいざん)していた神戸製鋼所で、主力の鉄鋼製品でも不正行為があったことが13日、わかった。12日に記者会見した川崎博也会長兼社長が「鉄鋼事業での不正は現時点ではない」と、明言した直後に、その鉄鋼製品でも不正発覚したことになる。一連の問題に対する調査体制や企業統治の面に加え、川崎氏の経営トップとしての資質まで問われる事態となりそうだ。
新たに問題が発覚したのは、自動車のエンジン部品やサスペンション、ボルト、ナットなどに使用する「線材」と呼ばれる鉄鋼製品。海外事業での案件だが、アルミ・銅製品のような「データ改竄ではない」(秘書広報部)という。
鉄鋼製品ではこれまで、自動車部品などの材料となる鉄粉の1製品で、データ改竄が判明していたが、同社が強みを持つ自動車関連の主力鉄鋼製品にも不正があったことで、信用低下は避けられない見通し。
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神鋼は13日午後、新たに9件の不正を確認したと発表し、緊急の記者会見を開いて川崎氏が謝罪した。