太陽光発電業者の倒産相次ぐ 政策迷走、「場当たり的」に悲鳴 (1/2ページ)

太陽光発電パネル
太陽光発電パネル【拡大】

 東日本大震災以降、空前のブームに沸いた太陽光発電の関連業者で倒産が相次いでいる。背景には、政府の再生可能エネルギー拡大をめぐる政策の迷走がある。固定価格買い取り制度開始を追い風に導入が急増したが、その後の買い取り価格の引き下げに伴い、市場が急激に縮小。業者からは「あまりにも施策が場当たり的だ」と悲鳴の声も聞こえ、ブームをどう軟着陸させるかが課題だ。

 「市場環境は激変し、厳しくなった。減収は避けられない」。太陽光発電事業が主力の「サニックス」の関係者は危機感を口にする。2015年度以降、希望退職者を3度募集した。合理化の結果、17年3月期の連結決算は、3期ぶりの最終損益で黒字を確保したが、売上高は前期比17.7%減の509億円だった。

 5年で単価半値

 太陽光発電協会によると、太陽光パネルの国内出荷量は14年度をピークに減少が続く。16年度は14年度比で3割超減少した。17年4月には太陽光発電パネル販売大手の「ZEN POWER(ゼンパワー)」(福岡市)が負債総額約52億円で福岡地裁から破産開始決定を受けた。帝国データバンクの担当者は「関連倒産が中小業者から広がりつつある」と分析する。

 政府は12年度に太陽光発電事業者から1キロワット時当たり40円で電力会社が購入する固定価格買い取り制度を導入。しかし一般家庭の負担増への反発もあり、その後は毎年買い取り単価を引き下げてきた。17年度も買い取り単価は原則21円に設定され、わずか5年で当初の約半分に低下した。

悪質な業者も横行、対応後手に