IR*ゲーミング学会(会長・谷岡一郎氏)は9月27日、東京都港区の第一ホテル東京で第14回学術大会・総会を開催。約400人が参加した。
当日は、ネバダ大学ラスベガス校のアンソニー・カボット教授、ユージーン・クリスチアンセン氏(全米賭博依存症協議会諮問委員会委員・ネバダ大学レノ校 賭博商業ゲーミング研究所役員)が「日本におけるIRカジノ制度の法的・制度的設計の評価」をテーマに基調講演。また、「リーガル・ディベート:IRカジノの制度はどうあるべきか?~推進会議の議論は適切か、課題は何か、日本の制度はどうあるべきか?~」について、美原融副会長の司会のもと、基調講演を担当した両氏およびIR推進会議委員メンバー数名がパネルディスカッションを実施。政府の日本版IRの“取りまとめ”において、さまざまな意見や感想が述べられるなか、「10年前のシンガポールモデルを手本にした日本型IRは将来を見越して世界的にも競争力のあるものができるかどうか、慎重に検討した方がよい」と、現実に照らした提言がなされた。
一方、IR推進会議で世界最高水準の規制が打ち出された件について、ギャンブル依存症に対する過剰な政策対応を危惧し、「普通の人に対して入場制限することになると、IRに投資する額にも影響する」と強調。「エビデンスに基づいた政策を打ち出すために、政府は調査実行すべきだ」などの意見が出された。