カンボジアの成長や将来性を肌で感じていたことと、自己資金でカンボジアのコンドミニアムに投資し、成功していたことが背中を押したという。外国人による不動産投資が許可されてから日が浅く、参入余地もあった。
「旗を揚げてカンボジアに来たのに、1年くらいで帰国することはできない」とのプライドもあった。一級建築士の父と住宅関連の職に就く母の間に生まれ、不動産投資になじみのある家系だったことも起業を後押しした。
◆比ダバオに進出
現在はカンボジア以外にも手を広げている。今年4月にはトライブホールディングスとの提携を発表し、フィリピンのダバオ市で不動産仲介などのサービスを開始した。
同市はドゥテルテ大統領の地元で、現政権になってから急速に存在感を増した同国第3の都市だ。ドゥテルテ氏が市長時代に行った過激ともいえる犯罪取り締まりにより、治安が格段に改善したことも投資対象としての魅力を高めている。
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【プロフィル】荒木杏奈
あらき・あんな 大手広告代理店セプテーニ入社、その後SBIグループを経て、2012年からカンボジアの首都プノンペンの金融機関に勤務。13年に独立、日本とカンボジアに拠点を持ち、国内・海外の国際不動産サービスを展開。33歳。東京都出身。
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【会社概要】アンナアドバイザーズ
▽本社=東京都渋谷区渋谷3-10-18
▽設立=2015年8月
▽従業員=2人
▽事業内容=国内外の不動産仲介業、金融・不動産投資に関するコンサルティング業務、不動産の売買・賃貸・管理・内装工事請負・内装クリーニング業務などの提供