ビジネスジェットに商機
神戸空港の発着枠は旅客便でほぼ埋まっており、関西エアや神戸市など地元自治体は、国に枠の拡大を求めていく考えだ。ただ、当面は利用者を伸ばすには1機当たりの搭乗率を高めるか、機材を大型化するしかない。このため、発着数にカウントされないビジネスジェットの存在価値は大きい。
現在神戸空港を運営する神戸市は、21年にビジネスジェット専用の格納庫を整備するなどしてきたが、便数はそれほど伸びていない。市空港事業部の江尻勝也推進担当課長は「関西エアによる民間の知恵で誘致が進むのでは」と期待する。
ただ、ビジネスジェットは国土の狭い日本ではあまり利用が進んでおらず、昨年末時点での保有機数は米国が1万9153機なのに対し、日本は57機にとどまっている。これはインド(243機)や中国(157機)をも大きく下回る。
このため政府は、羽田空港で昼間時間帯の発着枠の制限緩和や申請手続きの簡略化に踏み切るなどして、ビジネスジェットの利用拡大を促している。ただ、首都圏の空港は時間帯によっては、一般の旅客便で発着枠が埋まってしまうことが多い。
そこで注目されているのが完全24時間運用可能な関空だ。関西エア幹部は「海外のVIPがお忍びで関空を利用していることも少なくない」と明かす。
上昇気流
昨年1年間の関空を中心とした関西圏のビジネスジェットの発着回数は1763回。首都圏の羽田、成田両空港の計4324回には水をあけられているが、2年前よりは200回以上伸びている。