IoT(モノのインターネット)製品の開発などを行うエスキュービズムは、家電事業を強化する。機能を絞って低価格で提供する商品戦略に対する評価が高く、売り上げが堅調に伸びている点を考慮。取扱商品を順次増やしていくことで、消費者ニーズにきめ細かく対応する。2018年3月期の家電事業の売上高は、前期比67%増の25億円を見込んでおり、一連の取り組みによって数年後には100億円体制を目指す。
同社では製品の企画・設計を行い、中国にある外部工場に生産を委託。「ナショナルブランドやプライベートブランドでなく、第3のブランド」(薮崎敬祐社長)といった形で事業を展開しており、大手家電量販店やホームセンター、EC(電子商取引)サイトなどを通じて販売している。
現在取り扱っているのはテレビやDVDポータブルプレーヤー、扇風機、ヒーターなど10のカテゴリーに属する製品。16型など小型のテレビや、冷凍庫がない1ドア冷蔵庫など機能を絞ったものが多い点が特徴だ。
また、ロボット掃除機は部屋の隅々まで動くような機能は備えていないものの、厚さを3.2センチとすることで家具の下に入り込めるような形状にした上で価格を抑制するなど、ニッチな需要に対応できる製品の供給にも力を入れている。
こうした戦略が単身世帯を中心に支持されている。1人暮らしの世帯が全体の3分の1を超すようになるなど、単身世帯向けのニーズは今後も高まることが予測されるだけに、製品のラインアップを増やすことで攻勢をかけていく。