商工中金の公的制度「危機対応融資」をめぐる不正の全容解明が10月以降に遅れる見通しとなったことが6日、分かった。9月末をめどに作業してきたが、当初の見込みより大がかりな不正が横行してきた恐れがあり、調査に時間がかかっているとみられる。所管する経済産業省などは調査結果を踏まえ、追加処分を検討する。
商工中金では、弁護士で構成する第三者委員会が4月に公表したサンプル調査で、35支店で816件の不正が発覚した。全店規模で書類を改竄(かいざん)して条件を満たさない企業に不正融資をしていたため、6月に提出した業務改善計画で、未調査の19万2000口座の自主調査を表明した。現在は700人態勢で実施しており、全容が判明すれば不正は数千件規模に上る可能性もある。
経産省などは、全容調査で不正規模の拡大や新たな不正が判明すれば、改めて追加の行政処分を検討する方針だ。