中国で人気を集める自転車シェアサービスの大手2社が相次いで日本市場に参入する。スマートフォンを使って手軽に利用できるのが特色だ。中国では生活の足として定着したものの、使った自転車が乱雑に放置されるといった社会問題も発生。マナーを重視する日本の実情に合わせた運営ができるかどうかが事業の成否を左右しそうだ。
中国2強の一つ「Mobike(モバイク)」は札幌市で22日に事業開始のイベントを開き、23日に一般向けのサービスを開始。札幌市のほか年内には福岡市など計10都市に広げる計画だ。これに対し、ライバルの「ofo(オッフォ)」はソフトバンクグループの傘下企業と組んで9月以降、東京と大阪で事業を始める。
従来のレンタル自転車との違いはインターネットとの融合だ。各自転車に通信機能を搭載し、利用者はスマホを通じて決済手続きや解錠ができる。中国では路上のあちこちに止まっている自転車を選び、好きな場所で乗り捨てられる手軽さが受けて爆発的に普及した。
半面、過当競争を背景にシェアサービス業者が中国に投入した自転車は累計1600万台を超えた。駅前などに大量の自転車が放置され、交通の妨げになるなどの問題が生じ、政府が規制を強めている。
そこでモバイクは日本展開に当たって自治体や地元企業と連携し、駐輪スペースを確保した上でサービスを提供する。モバイクの海外事業幹部は、日本では計画中の10都市に限らず「多くの自治体から関心が寄せられている」と明かした上で「各地の事情に合わせて事業を展開していく」と説明した。(北京 共同)