東京電力の南横浜火力発電所(横浜市磯子区)に7月、後藤愛野所長(52)が着任した。発電所の女性所長は他の大手電力を含めて先例はない。一般に発電所は、力仕事を伴うため女性が少ないとされていたが、活躍の場として可能性が広がりそうだ。
後藤氏は慶応大理工学部卒で1988年に技術職として入社した。初任地もこの発電所で火力事業の経験が長い。南横浜は最大出力115万キロワットで、従業員約60人のうち女性は4人にとどまる。
東電は2020年度に管理職に占める女性の割合を現在の約3%から10%に高める目標を掲げている。13年には執行役員に初めて女性が就いた。後藤氏は「経営に近いポストに女性が増えれば、異なる考え方をより受け入れやすい会社になる」と期待する。
東電は、今年6月には前社長より10歳若い小早川智明社長(54)が就任して人心一新を進めており、女性社員の起用にも力を入れ、改革姿勢を社内外にアピールしたい考えだ。