Jパワー(電源開発)と中国電力が共同で低炭素型の石炭火力発電技術の開発を目指す「大崎クールジェン」プロジェクトで、実証試験設備の完工式が9日、広島県大崎上島町で行われた。
式典には、Jパワーの渡部肇史社長、中国電力の清水希茂社長をはじめ、経済産業省、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、設備の製造を担当した三菱日立パワーシステムズなどの幹部らが出席。渡部社長は「Jパワーは(石炭の環境負荷を低減するための)クリーンコールテクノロジーの開発に長い間取り組んでおり、今日大きな節目を迎えた。さらに技術開発を進めていきたい」と語った。
プロジェクトは国の補助事業。発電効率の高い石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)と二酸化炭素(CO2)分離・回収技術を組み合わせた、低炭素型石炭火力発電を実現することが狙い。
商用段階での発電効率は55%以上を見込み、既存の一般的な石炭火力を14ポイント以上も上回る。CO2排出量も既存の一般的な石炭火力と比べて約30%削減される見込みだ。