JA全中、中家徹会長を選出 政権に「目標と逆の政策出れば、毅然とした態度で」と強調

JA全中会長の就任会見に臨む中家徹氏=10日、東京・丸の内(原田史郎撮影)
JA全中会長の就任会見に臨む中家徹氏=10日、東京・丸の内(原田史郎撮影)【拡大】

 全国農業協同組合中央会(JA全中)は10日、臨時総会を開き、JA和歌山中央会の中家徹会長(67)を新会長に選出した。11日付。中家氏は、政府の急進的な農協改革をけん制する慎重派とされ、安倍政権との距離感が今後の焦点だ。総会後の記者会見では「農村を元気にするという目標と逆の政策が出れば毅然とした態度で臨む」と強調した。

 一方で、中家氏は政府との関係に関して「目指すところは同じだと思うので対話は進めていきたい」とも述べ、柔軟に対応する姿勢を示した。

 農協改革の一環として、地域農協から金融事業を分離するとの議論については「総合的な事業経営の維持が農家の所得向上のためには不可欠だ」とし、否定的な考えを示した。

 中家氏の任期は2020年8月までの3年間。会長選では、政府と協調路線を敷いた前任の奥野長衛氏に近いとされた対立候補を大差で破った。