政府主導で日立製作所、東芝、ソニーが事業統合でつくった中小型液晶パネル大手ジャパンディスプレイ(JDI)は9日、能美工場(石川県能美市)の生産停止やグループ従業員の3割弱に当たる3700人超の人員削減を柱とする経営再建策を発表した。リストラ関連費用として1700億円程度の特別損失を計上し、2018年3月期の連結純損益は4年連続の赤字が確実となった。国策会社の経営の限界が露呈した。
JDIは政府が推進する産業政策の目玉として12年4月に発足した。だが合理化の遅れや市況悪化から経営難に陥り、筆頭株主で政府系ファンドの産業革新機構や主力銀行に支援を要請していた。
スマートフォン向け液晶パネルの生産設備は余剰感が強く、海外の工場は統廃合する。国内は能美工場の生産停止に加え、石川工場(石川県川北町)内にある次世代の有機ELパネルの試作ラインを廃止し、機能を茂原工場(千葉県茂原市)に一本化する。
人員削減は海外が約3500人。国内は240人を希望退職で募る。