デンソーは8日、自動運転車向け次世代半導体技術の開発子会社「エヌエスアイテクス」(東京都港区)を9月に新設すると発表した。障害物など周辺の情報を低電力で瞬時に処理し、車が自ら最適な運転経路を判断するための「データフロープロセッサー」(DFP)を開発。2020年代前半の量産化を目指す。
DFPは、人工知能(AI)技術で世界的に勢力を広めている米半導体大手エヌビディアが得意とする画像処理半導体(GPU)の10分の1以下の消費電力で情報処理が可能だという。
デンソーは、人間並みに周囲の状況を把握し、障害物の動きを予測できるAI技術も東芝と共同開発。20年前後の実用化を目指している。
自動運転技術をめぐっては、パナソニックが「ディープラーニング(深層学習)」の仕組みを取り入れ、使う度に運転が上達するAIシステムの開発に着手、20年度中の完成を目指す。
ソニーも発光ダイオード(LED)を使った信号機や前を走る車の尾灯を正確に撮影できる高感度の「CMOSイメージセンサー」の新製品を開発するなど各メーカーが市場開拓に本腰を入れ始めている。