V・Cサマー原発の建設現場(電力会社のSCE&G提供・共同)【拡大】
経営破綻した東芝系の米原発大手ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)に南部サウスカロライナ州で原発2基を発注した米電力会社スキャナは7月31日、2基の建設を断念すると発表した。完成までの追加費用が膨らみ、採算が合わないと判断した。
WHは米電力サザン・カンパニーからも南部ジョージア州のボーグル原発で2基を受注。スキャナ発注の2基を含む4基は1979年のスリーマイルアイランド原発事故後、新規着工がなかった米国で原子力産業再興の象徴とされたが、建設断念で暗い影を落とすことになった。
スキャナはサウスカロライナ州のV・Cサマー原発でWHに発注。WHが今年3月に連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請したことを受け、建設計画を見直すかどうかを検討してきた。スキャナは2基の完成には88億ドルに上る追加負担が必要になると見積もり、1基だけを完成させる道を探った。しかし1基でも71億ドルの負担が必要だと分かり断念した。(ニューヨーク 共同)