バングラデシュ政府は30日、同国石炭火力発電公社が南東部で計画している「超々臨界圧」と呼ばれる高効率の大型石炭火力発電所と関連港湾建設を住友商事と東芝、IHIの3社連合に発注したと発表した。東芝プラントシステム、五洋建設もプロジェクトに参加する。国際協力機構(JICA)が実施する低利融資の円借款事業で受注額は約5000億円。1契約での円借款供与では過去最大。経済成長に伴って生じている恒常的な電力不足の解消に貢献する。
同国第2の都市チッタゴンとコックスバザールの中間地点のマタバリ島に総出力120万キロワットの同国最大の火力発電所を2024年7月にも建設し、総発電量の約1割を担う。関連施設として石炭輸入用の大型船が接岸できる同国初の深海港も建設する。後背地には液化天然ガス(LNG)輸入基地、工業団地、発電所増設など総合開発計画もあり、重化学工業などの産業振興も期待されている。
住友商事が発電所と港湾の建設を担う。主要機器は東芝が蒸気タービンや発電機、IHIがボイラーを設置。周辺機器工事は東芝プラントシステムが担う。