トヨタ自動車の豊田章一郎名誉会長(92)は28日、名古屋市で講演し「人工知能(AI)や自動運転など、次世代車の開発競争が進む激動期を生き抜くには、研究と創造の力が問われている」と強調した。「愛知の発明の日」の特別講演で語った。
オフィスでパソコンを見ながら作業が完了できる時代になったが「現場の声を聞くことが継続的な革新につながる」と指摘、時代が変化しても、ものづくりの基本は現場にあると話した。「人づくりが要となる」とも言及、米国への学生の留学が減っている現状を憂い「豊かな日本に満足し、内向きになっていることに危機感がある」と語った。
愛知県は、トヨタグループの創始者、豊田佐吉氏が1898年に日本最初の動力織機の特許を取得した8月1日を「発明の日」と定めている。