パナソニックは27日、車を運転中のドライバーの眠気を、表情などから本人が自覚するより前に人工知能(AI)が先回りして検知し、居眠りや事故を防止する技術を開発したと発表した。15分後の眠気の状態なら70%の確率で予測でき、最大30分程度なら実用化が可能と見込んでいる。
車のほか、オフィスなどへの導入を目指しており、10月から自動車メーカーなどに試験提供する。
パナソニックが同日公開したシステムでは、運転席の前部に設置されたカメラでドライバーのまばたきや表情を検知し、約1800の判断項目に照らして現在の眠気の度合いを計測。さらにセンサーで測定した車内の明るさや、赤外線カメラで測った体の表面の放熱量のデータから、15分後や30分後に眠気がどう推移していくかも予測する。
眠気の度合いは5段階で表示し、眠気が強ければ音声で休憩するよう呼びかける。現在は自覚がなくても今後に眠気が出ると予測した場合は、車内のエアコンを強めて温度を下げたり、音楽のボリュームを上げたりして眠気を抑制する。