■官民連携で普及啓発に全力
東京・霞が関の経済産業省。本館と別館の間にある駐車場に今年3月、日産自動車のミニバン「セレナ」やホンダの「フリード」など、自動車大手8社の新型車が並んだ。いずれも自動ブレーキやアクセルとブレーキの踏み間違い防止装置など、安全運転機能を備えた車両。経産省など4省庁が主催した異例の“試乗会”だ。
全国で試乗会開催
「おお、本当に止まった」
進路に置かれた自動車模型に反応し、急停止した車の助手席で、経産省の高木陽介副大臣は驚きの声を上げた。
当時、自動車販売店などの試乗会で、自動ブレーキが利かないなどのトラブルが相次ぎ、業界内では自粛ムードが広がっていた。経産省などはこの試乗会を皮切りに、自動車大手各社とともに試乗会を全国で開催している。事故防止に向け、安全運転サポート車の普及を促すためだ。
「取り得る対策を早急に講じてほしい」
安倍晋三首相が関係閣僚会議で、こう指示したのは昨年11月。経産省と国土交通省、警察庁、金融庁の4省庁は「『安全運転サポート車』の普及啓発に関する関係省庁副大臣等会議」を設置し、急増する高齢者の交通事故防止に乗り出した。