インタビューに答える東京電力ホールディングスの川村隆会長=東京都千代田区【拡大】
東京電力ホールディングス(HD)の川村隆会長は13日までにフジサンケイビジネスアイなどのインタビューに応じ、「(政府は)原子力を捨てれば日本(経済)が衰退することを説明すべきだ」と話した。見直し時期を迎えている国のエネルギー基本計画でも「原子力の言葉は消さないようにしてほしい」と述べた。
5月に公表した新たな経営再建計画「新々総合特別事業計画」は福島第1原子力発電所の事故を踏まえ、原発の安全性向上や再稼働を明記した。川村会長は柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に向け過酷事故対策を進めていると強調し、「地元の理解を得なければいけない項目を粛々と進めていく」と語った。近く新潟県を訪問する意向も示した。
ただ、今月10日の原子力規制委員会の会議では「(福島第1原発の)廃炉に主体性が見えない」と批判を受けた。川村会長は「原子力事業は主体的にそれ(主体的に動くこと)ができないところがある」として改善に努める方針を示した。
東電HDは再建計画に盛り込まれた原発事業の再編に向け、原子力部門に社内カンパニー制を導入する方針。廃炉費用の増大を背景に民間企業だけでは事業の維持が難しいという見方もあるが、川村会長は「事業そのものを国営にすればうまくいくとは思っていない」と語った。
原子力以外の事業では、スマートフォンと連携した省エネサービスなどについて「一つ一つは小さいビジネスだが広範囲にわたる」と期待を示した。