経営再建中の東芝は11日、三井住友銀行、みずほ銀行といった主要取引行との会合を東京都内で開いた。「日米韓連合」を優先交渉先とした半導体子会社の売却について、三重県四日市市の工場を共同運営する米ウエスタン・デジタル(WD)や台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業と並行して協議することを明らかにした。
東芝は産業革新機構を中心とする日米韓連合を優先交渉先とし、6月下旬までの契約締結を目指した。だが、独占禁止法の審査の長期化を避けるため、出資ではなく融資での参画を予定していた韓国半導体大手SKハイニックスが議決権を要求したことから、契約が遅れている。
東芝は他の陣営と交渉を続けることでSKを牽制(けんせい)するほか、より好条件を引き出したいとの狙いがあるとみられる。
WDは米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)などと共同で、鴻海は米アップルといった企業とともに東芝メモリを買収する計画を東芝に示していた。