MRJ、パリ航空ショーでほろ苦デビュー 断熱材や配線むき出し… 開発遅れ鮮明 (1/2ページ)

国産初のジェット旅客機MRJの試験機=パリ近郊のルブルジェ空港(共同)
国産初のジェット旅客機MRJの試験機=パリ近郊のルブルジェ空港(共同)【拡大】

 三菱航空機(愛知県豊山町)がパリ国際航空ショーで、MRJの実機を披露した。計画遅れの瀬戸際で展示にこぎ着けたが、開発では海外勢との差が浮かび、ほろ苦いデビューとなった。航空機分野で世界をにらむ部品メーカーは、初の国産ジェットに希望を託す。

 各社の新型機が並ぶパリ近郊のルブルジェ空港。「開発が進んでいることを理解してもらうのが一番のミッションだ」。三菱航空機の水谷久和社長は18日、最初の顧客であるANAホールディングスの青いカラーに塗り替えた機体を背に、こう強調した。

 巨大市場の欧州でお披露目すれば営業効果は高まる。しかし展示した機体は、米国で飛行試験を急ぐ4機のうちの1機。設計変更により試験時間が延び、中断してまでパリに運ぶかは、ぎりぎりの判断だった。

 報道陣に公開した機内は断熱材や配線がむき出しのまま。デモ飛行の準備まで手が回らず、25日の閉幕を前に展示は終了。幹部は「今はこれが精いっぱいだ」とつぶやいた。

 最大のライバルとされるブラジルのエンブラエルは、派手なデモ飛行を連日繰り返した。小型機市場のシェアはトップ。ショーに合わせて新型機「E2」を新たに30機受注したと発表し、勢いを印象付けた。

「MRJが成功すれば、日本も変わる」