2017.6.23 06:07
台湾の鴻海精密工業は22日、台湾北部の新北市で株主総会を開いた。郭台銘会長は、東芝が半導体子会社「東芝メモリ」の売却をめぐり、日本の経済産業省主導の「日米韓連合」と優先的な交渉に入ると前日発表したことについて「交渉は終わっていない。まだ可能性がある」と述べ、諦めずに買収に向け努力を続ける姿勢を示した。
総会終了後に記者会見した郭会長は、交渉入りに至る経緯に関し「公正、合理的でない」と経産省を激しく批判。商業的で公平な競争、自由市場の立場からの競争入札であれば「国際的な笑い話だ」と語気を強めた。
鴻海による昨年のシャープ買収にも触れ、昨年1月に経産省幹部に呼ばれて「シャープを買わないように」と警告を受けたにもかかわらず、買収を成功させた経緯を説明。東芝メモリの問題で経産省は過去の経緯から鴻海を敵視し、交渉対象から外したとの見方を示した。
シャープ買収で経産省の言うことを聞いていたら「今のシャープはない」と強調。その上で鴻海が意欲を示す東芝メモリの買収に関して「まだ50%以上の自信がある」と強気の姿勢を示した。
鴻海と東芝メモリの組み合わせは、技術の融合や顧客の拡大など東芝にとって大きなメリットがあると指摘。鴻海に買収された場合、技術流出への懸念が日本側にあることに「シャープで新たな投資も始めているが、どんな技術が流出したのか」と懸念に根拠がないと訴えた。(新北 共同)