2017.6.20 12:26
東芝本社ビル=東京都港区(本社チャーターヘリから、桐原正道撮影)【拡大】
経営再建中の東芝が、主要取引銀行7行による2800億円の融資枠を月内にも活用できる見通しとなったことが19日、分かった。提携先の米ウエスタンデジタル(WD)の反対で活用できない状態が続いていたが、主要行は東芝の事業継続のために必要な資金繰りを手当てする考えだ。
主要行は、東芝の半導体子会社「東芝メモリ」の株式を担保に取る代わりに、東芝が融資枠から必要な資金を引き出せる仕組みを考えていた。だが、WDが担保の差し入れに反対し、東芝は資金引き出しを封じられていた。
東芝とWDが対立を解消し、WDの応諾が得られれば融資枠を活用できる。一方で応諾が得られない場合、主要行は代替措置として、株式を銀行の手元に置いて担保のように扱う「保護預かり」と呼ばれる仕組みを活用する考えだ。
東芝メモリの売却交渉が大詰めを迎える中、主要行は、東芝の資金繰りを支える考えだが、東芝メモリ株を保護預かりすると、通常の担保より価値が劣るため、「貸し倒れ引当金を積み増す必要がある」(主要行幹部)という。