無料対話アプリのLINE(ライン)は15日の事業説明会で、同社の人工知能(AI)技術「クローバ」を活用し、運転中などに音声でのスマートフォン操作を可能にする環境整備をトヨタ自動車と共同で進めると発表した。LINEのアプリを通して、マイナンバーの個人向けサイト「マイナポータル」を案内する政府との連携の合意についても正式発表した。
説明会でLINEの出沢剛社長は、AI分野に注力する方針を強調。トヨタとの協業では、利用者の音声を認識し、会話しながら情報提供などを行うクローバと、トヨタが推進する車載機器とアプリとの連携規格「SDL」を組み合わせる。来年から、新サービスの提供を始めたい考えだ。
クローバを搭載した製品の第1弾となるスマートスピーカー「ウェーブ」も初披露。ウェーブはお薦めの音楽を再生したり、天気予報やニュースなどを伝える。音楽関連の機能に絞った先行版を1万円(税別)で今夏に投入し、今秋には正式版を1万5千円(同)で発売する。
この日の説明会には高市早苗総務相も出席し、LINEとマイナポータルとの連携について、「行政窓口を身近なものにする第一歩だ」と話した。