ソフトバンクグループの孫正義社長。同社はロボットを注力分野の一つに据える【拡大】
ソフトバンクグループは9日、米IT大手グーグルの持ち株会社傘下のロボット開発会社ボストン・ダイナミクスを買収すると発表した。ソフトバンクが先月発足させた10兆円規模の投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」は、自動運転に活用される画像処理技術を持つ米半導体大手エヌビディアにも出資。将来性の高さが注目される世界の企業への投資を次々と実現させている格好だ。AI(人工知能)を中核に次世代技術での優位性を確保し、大規模なビジネスチャンスをとらえようとする孫正義社長の戦略が、着々と進んでいる。
ボストンは米国防総省の研究機関から委託を受け、軍事用ロボットなどを開発してきた。険しい道でもバランスを取って進む四足歩行型のように機動性や駆動性に優れたロボットを開発する技術を持つ。買収したソフトバンクは、ボストンのロボット技術とAIやIoT(モノのインターネット)を組み合わせて新しい展開につなげ、ロボットを産業やサービス分野で活用する狙いがあるとみられる。
孫社長は9日、「生活をより快適・安全に、充実させるボストンをサポートしていく」とのコメントを発表した。
また、グーグルの持ち株会社アルファベットから、二足歩行ロボット開発の東大発ベンチャー「Schaft(シャフト)」も買収する。
ソフトバンクは両社の株式のそれぞれ100%を取得するが、買収額などの詳細は非公表という。ソフトバンクは人型ロボット「ペッパー」をグループで開発しており、新たに加わったロボットベンチャー2社との連携も期待される。