2017.6.10 11:40
東芝本社ビル=東京都港区(本社チャーターヘリから、桐原正道撮影)【拡大】
東芝は10日、経営破綻した米ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)による原発2基の建設事業を巡り、発注元の米電力会社サザン・カンパニーに36億8千万ドル(4129億円)を支払うことで合意したと発表した。親会社として工事費用の一部を債務保証した契約を履行するもので、東芝の負担の上限額が確定したことになる。
支払額は2017年3月期連結決算の暫定値で見積もった範囲内に収まった。追加の損失が避けられ、WH関連の債務処理が一歩前進した。
米国時間9日付で合意書を締結した。東芝は17年10月から21年1月までの間に分割で支払う。サザンは今回の金額を超える請求をせず、米連邦破産法に基づくWHの再生手続きで協調することでも合意した。
東芝が負担するのは建設費が計画より膨らんだことに伴い、WHが支払うはずだった資金。実際の費用が現在の想定より安く済めば、一部が東芝に戻ってくる契約だという。東芝は、WHが別の米電力会社から受注した原発2基でも債務保証をしている。月内にもこの支払額が決まる見込みだ。
サザンのトム・ファニング最高経営責任者(CEO)は「東芝の協力をうれしく思う。合意は、これらの原発の未来に確固とした土台を築くものだ」とコメントした。一方、サザンはWHに発注した原発2基の建設計画を見直すかどうかの検討期限を今月22日まで延長するとしている。