右肩上がりで成長してきたコンビニエンスストアの出店数が鈍化してきた。業界再編が進み、セブン-イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソンの3強で国内市場の9割超を占める。市場の“陣取り合戦”も終わり、各社は宅配や移動店舗など、従来とは違う新たな市場の開拓に知恵を絞っている。
国内に5万4822店
「新しくコンビニができても、あまり意味ないのになぁ…」。東京23区に住む30代の女性は自宅マンションから徒歩1分のセブン-イレブンをよく利用する。ところが昨年3月、自宅から同じような距離の場所に新しいセブン-イレブンがオープン。女性は「品ぞろえも一緒だし、あえて新しい店に行くことはないかな」と感想を漏らす。
都心など収益が十分に見込める地域に集中して出店した結果、コンビニ店舗数は「飽和に近い状態」(ユニー・ファミリーマートホールディングスの高柳浩二社長)となっている。
日本フランチャイズチェーン協会によれば、2017年3月末の国内のコンビニ店舗数は5万4822。前年同月と比べた増加率は2.2%増にとどまり、伸び率は年々鈍化している。出店余地も限られてきているのが現状だ。