□旅工房・高山泰仁会長兼社長
インターネット旅行会社の旅工房は、顧客の要望に合わせたオーダーメード旅行の提案で急成長を遂げ、4月18日、東証マザーズ市場に上場した。オンラインと相談員による人的サービスを組み合わせたハイブリッド対応で差別化を図る。上場で得た資金はシステム投資などにあてる。高山泰仁会長兼社長は「さまざまなニーズに応えて顧客の満足度を高め、持続的に成長していく」考えだ。
--ビジネスモデルの特徴は
「収益性の高い海外旅行を中心に、こだわりを持った個人の自由旅行者を主な顧客層としている。オンライン販売に限定しているが、トラベル・コンシェルジュが一人一人の旅の相談に乗っている。ハワイ、中南米、アジアリゾートなど渡航先別に特化した担当者が、ホテルや現地ツアーなど顧客からの要望に、電話やメールで対応している」
--事業者が乱立する旅行業界でなぜ急成長できたのか
「トラベル・コンシェルジュによるサービスが支持されたことが要因だ。店舗型旅行会社の定型ツアーでは滞在期間やホテルがあらかじめ決まっているため、希望する日程、ホテル、航空会社のカスタマイズが容易ではない。一方、オンライン特化型では複雑な日程で予約するときの作業負担が大きく、相談する相手もいない。これらのデメリットを克服できたことが他社との差別化につながった」
--上場したのはなぜ
「市場での信用が欲しかった。旅行会社は大手グループと小規模の事業者に二極分化している。9000社以上ある旅行会社の中で、大手は鉄道や航空など親会社の傘下にあるところが多い。独立系はエイチ・アイ・エスのほかは当社ぐらいだ。独立系は親会社がないため、上場していないと信用を得るのが難しく、法人向け事業が伸び悩むことがある。上場で得た信用によって、今後は法人向け旅行を強化する」