ダイキン工業の井上礼之会長は24日、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉といったトランプ米政権の通商政策の行方を見極める必要があるとして、メキシコの工場への投資を見合わせていると明らかにした。米南部テキサス州ヒューストン近郊での新工場の開所式後、記者団に述べた。
見合わせているのは、米国に供給する一部の部品をメキシコの工場で生産する計画。井上氏はトランプ政権の経済政策が経営に与える影響について、米国内で設備投資や雇用を増やす企業に優遇策を取る可能性があるとの見方を示し「短期的には追い風かもしれない」と話した。
一方で中長期的には、環太平洋戦略敵経済連携協定(TPP)からの離脱やNAFTA再交渉の結果が米経済に悪影響を与える恐れがあるとして「今後の(米国への)投資は十分に用心しなければいけない」と述べ、慎重に検討していく考えを示した。(ヒューストン 共同)