清酒メーカーの黄桜(京都市伏見区)は、同区内で昨年夏から稼働したビール醸造所で初めて製造した「クラフトビール」の新商品2種類を26日から全国発売すると発表した。同社の日本酒に使う伏見の水や酒米を原材料に使ったのが特徴。主に20~40代をターゲットに拡販を狙う。
新商品は、かんきつ風味のホップの味わいがあるビール「ラッキードッグ」、ユズの香りやサンショウを隠し味にした発泡酒「ラッキーキャット」の2種類。飲むほどに愛着がわく「ラッキーなパートナー」になるとの願いを込め、商品を命名したとしている。
アルコール度数は5%で、販売価格は350ミリリットル缶で税抜き275円、330ミリリットルびんで同300円。販売目標は非公表とした。
黄桜は平成7年にビール事業に参入した。国内の清酒メーカーでビールを製造するのは珍しいという。
昨年8月には同区の本社工場内に、日本酒と地ビールを製造し、見学施設も併設した施設「伏水蔵(ふしみぐら)」を開業。同社のビールの年間最大生産能力を従来比約20倍の4千キロリットルへ引き上げていた。
京都市内で今月19日に記者会見した黄桜の松本健太朗取締役は「主力事業の清酒の需要が落ちる中、ビール事業を第2の収益源に育てていきたい」と話している。