2017.5.12 05:49
インフォステラの社屋に設置されたパラボラアンテナと(左から)石亀一郎COO、倉原直美CEO、戸塚敏夫取締役=東京都渋谷区【拡大】
■人工衛星向けアンテナシェアリング
宇宙産業ベンチャーのインフォステラ(東京都渋谷区)は、人工衛星向けアンテナシェアリング(共有)の試行サービスを近く始める。6月までに打ち上げ予定の九州工業大学超小型衛星試験センターが開発した縦、横、高さが約10センチの超小型衛星「キューブサット」5基と九工大との間での交信が安定的にできるかを調べる。
地上局が置かれる九工大には、インフォステラが開発した「ユニバーサル無線機」を設置する。この装置は、1基のパラボラアンテナで時間帯を変えながら複数の衛星と通信できる機能をもつ。衛星運用会社は、複数の地上局にユニバーサル無線機を配置することによって、クラウドベースで運用時間を管理し、衛星との切れ目のない通信を可能にする。
従来の衛星通信では使用可能な周波数帯が限られるため、衛星と地上局のパラボラアンテナは事実上セットで運用されてきた。衛星と地上局との間で通信できる時間は1日当たり30分間程度しかない。しかも、アンテナを含む地上局の設置は初期投資、運用コストともに高額で、投資回収にも長い時間が必要などの課題があった。