2017.5.11 10:30
国内のカプセルトイ市場は、2001年度の210億円から15年度には316億円にまで成長。近年の人気に火がついたのは、11年に販売した「仮面ライダーオーズ オーメダル」がきっかけだという。「とある家電量販店では発売日に大行列ができ、社内では『とんでもない商品が出た』と騒ぎになりました」(奥村さん)。なんと3年後の14年にはそれを上回る商品が出る。「『妖怪ウォッチ 妖怪メダル』は市場規模が拡大するほど空前絶後の売れ行きに。この2商品の登場によって、ガチャガチャは『皆が目の色を変えて欲しくなる』ものになりました」と奥村さんはブームの過熱ぶりをふり返る。
池袋駅で売れる商品は意外?
ガチャガチャが脚光を浴びるようになった要因はほかにもある。かつては小さな玩具屋やスーパーの裏にひっそりと置かれ、長い間「すきま産業」として脇役に徹してきたが、近年では駅や空港にズラリと並ぶ光景が珍しくない。例えば16年7月から大量のガチャガチャを設置した成田空港では、両替えできなかった小銭で遊ぶ外国人観光客でにぎわう。第1旅客ターミナルで150台以上の販売機を扱うハピネットは、成田空港だけで1店舗平均の10倍ほどを売り上げる。
奥村さんによると「2000年代前半からはショッピングモールの中心に設置され始め、ここ数年は駅や空港、イベント会場、フェス会場など、人が集まる場所にどんどん進出しています。大人にウケているのは、彼らと触れ合うタッチポイントが増えたことも考えられます」と従来とは一線を画すロケーション戦略が奏功している。