最強トヨタに忍び寄る中国の巨大な“刺客” 米中接近で新たな脅威に (2/4ページ)

2017.5.8 06:00

入社式であいさつするトヨタ自動車の豊田章男社長=4月3日午前、愛知県豊田市
入社式であいさつするトヨタ自動車の豊田章男社長=4月3日午前、愛知県豊田市【拡大】

  • テンセントのイメージマスコット(ロイター)
  • 米EV大手テスラのEV「モデルS」(ロイター)
  • テンセントの投資戦略からは自動車市場への野心が透けて見える(ロイター)

 テンセントの現在の収益源は巨大なSNSのネットワークを活用したオンラインゲームや決済などのモバイルサービスで、トヨタの敵とは映らない。

 しかし、テンセントの最近の投資戦略の矛先に目を向けると、景色は変わる。中国市場での自動車シェアビジネスで、世界大手ウーバーとの戦いに勝利した配車アプリの滴滴出行、EV(電気自動車)メーカーの蔚来汽車(NextEV)、位置情報サービスの北京四維図新科技(ナビインフォ)やヒア・インターナショナルなど、これらの出資先からは、まさにトヨタが目指す「未来のモビリティ社会」をにらんだ自動車市場への野心が透ける。そして、その野心をもっとも象徴したのが、3月に明らかになった米EV大手テスラへの出資だ。

 ロイター通信などによると、テンセントは17億8000万ドル(約1960億円)を投じ、テスラ株5%を取得。テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)や投資会社フィデリティなどに次いで第5位の株主となった。テスラは、調達した資金を7月をめどに始める量産型EV「モデル3」の生産準備に充てるとされる。テンセントの取得株に議決権はないようだが、アナリストの間ではこの出資を機にテスラ車の中国での販売、さらには中国生産をテンセントが支援する可能性もあると、両社の連携を予想する見方が出ているという。

テンセントとテスラの接近は「強力なタッグ」

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