ドライバーが操作しない高度な自動運転車が交通事故を起こした際の賠償責任のあり方を議論している国土交通省の有識者会議は26日の会合で論点整理を行った。システムの欠陥で事故が起きた際には、自動車メーカーに責任を負わせる新たな仕組みの導入などを検討する。一定の結論を今年度中に示す予定だ。
同会議は昨年11月に議論を始め、主な検討課題を今回まとめた。システム欠陥による事故に関しては、現行のドライバーの「運行供用者責任」を維持しつつ、補償を行った保険会社がメーカー側に求償するための仕組みの導入や、被害者の救済のため、メーカー側が拠出する基金の創設も検討する方向となった。
また、自動運転システムを外部から乗っ取られて事故が起きたケースについては、盗難車による事故と同じ状況であると想定。ひき逃げや無保険車による事故の被害者を救済している政府保障事業の対象とする方向で検討する。
政府は平成32年度に過疎地や高速道路での完全自動運転の実用化を目指している。
必要な法改正などに関する大綱を今年度中に策定し、31年の通常国会での成立を目指す。