2017.4.22 05:00
□ワールド・ワイズ・ジャパン代表、LOGOSプロジェクト主幹 濱口理佳
■「依存=悪」というミスリードの払拭を
「会社生存率(企業存続率)」という言葉をたびたび耳にするが、周知の通り、国税庁が“法人組織が設立されてから倒産するまでの期間”をデータベースにまとめたものだ。これによると、設立から30年を迎えることができる企業は0.021%と、極めてレアなことが分かる。だが、遊技業界を俯瞰(ふかん)すると、ここ数年で複数の企業が40周年や50周年、60周年を迎えている。
ビジネスに無関心な人のなかには「ぼったくっているから生き残ることができている」などと心ないことを言う人もいるかもしれない。だが、高い利益を得続けるだけで企業が存続することはできない。企業の持続可能な成長に視点を置いた健全運営を心がけ、ひいてはこれを産業の持続可能な成長につなげていく努力が必須だ。そう考えても、数十年の歴史を誇る企業が散見される遊技産業は、その業種特性ゆえに「より厳しく自律する」ことが促され、数々の困難に遭遇するたびに自浄してきたとも捉えられる。矢野経済研究所の調査では、2016年12月末のパチンコホール経営企業数は3421社。このほか、遊技機メーカーや周辺機器メーカーなどが存在し産業を構築している。そのすべてが同レベルの企業運営を実現しているわけではないが、“100年企業”をキーワードに事業を展開する企業の努力を、パチンコだから、パチスロだからという偏見で捉えることは適切ではない。その偏見を払拭するためにも、公的機関のデータはじめ客観性が担保された業界内データなど、社会における正当な評価を導くための情報開示を積極的かつ継続的に行っていく必要がある。